暴走ゲーム
「だろ?」
晴也が嬉しそうに笑った。
あたしは涙が溢れる。
「あたし・・っ、アイツに・・大切なもの聞かれた・・・」
「うん」
彩乃が優しくあたしの涙を拭いてくれる。
「それで・・あたし・・クラスのみんなって・・答えたの・・」
拭いてもらったのに、もっと涙が出る。
「そっか。でも大丈夫、だよな?」
「あぁ。俺ら、一応空手とか習ってた連中ばっかだぜ?」
「嘘・・・」
だって・・どう見ても違う人が・・・。
「ひと段落するまでは経験者と過ごさせる。親にも許可もらう。夜は危険だから、一緒に泊める」
そこまでしてくれるの・・・?
「菜摘には彩乃を泊めさせる」
「言われなくても泊まるし!!」
あたしにくっつく彩乃。
「いいか、絶対に1人で行動するなよ」
「了解~」
すごく、大掛かりなことがこれから始まる。
あたしのせいで・・・。