暴走ゲーム
『今、菜摘が友達の家入るの見たよ。大丈夫?具合悪そうだけど』
彩乃があたしにメールを見せる。
「嫌っ・・・」
携帯をはらう。
「携帯、電源切るよ。晴也にもあたしの携帯にメールするように伝えるから」
頷くしか出来ないあたし。
「あ、もしもし。富谷彩乃ですが今日のお葬式、私と神谷菜摘と加々井彩矢は欠席するので・・・。はい、ちょっと体調が優れなくて・・はい、はい。失礼します」
いつの間にか誰かに電話する彩乃。
「お葬式も休みにしてもらった。晴也とカズ君もあたしの家にすぐ来るって」
「本当?あたし、帰るよ。それじゃあ」
「彩矢っ・・・」
震えるあたしの声。
「どうした?」
「一緒に居て・・。今外に出たらアイツが・・・」
また震え出す。
「隼人・・・っ」
助けて・・。
隼人に会いたい・・・。
「菜摘、隼人君にメールしなよ。大丈夫?って」
「うん・・・」
彩乃がアイツのメールを全部消してくれてた。
『隼人、大丈夫?無事?』
すぐに返事が来た。
『俺は平気だけど。ニュースがヒドイよ。菜摘のクラスメイトで死者出たんだろ?』
知ってる・・知られてる・・・。