暴走ゲーム


『今、菜摘が友達の家入るの見たよ。大丈夫?具合悪そうだけど』

彩乃があたしにメールを見せる。

「嫌っ・・・」

携帯をはらう。

「携帯、電源切るよ。晴也にもあたしの携帯にメールするように伝えるから」

頷くしか出来ないあたし。

「あ、もしもし。富谷彩乃ですが今日のお葬式、私と神谷菜摘と加々井彩矢は欠席するので・・・。はい、ちょっと体調が優れなくて・・はい、はい。失礼します」

いつの間にか誰かに電話する彩乃。

「お葬式も休みにしてもらった。晴也とカズ君もあたしの家にすぐ来るって」

「本当?あたし、帰るよ。それじゃあ」

「彩矢っ・・・」

震えるあたしの声。

「どうした?」

「一緒に居て・・。今外に出たらアイツが・・・」

また震え出す。

「隼人・・・っ」

助けて・・。

隼人に会いたい・・・。

「菜摘、隼人君にメールしなよ。大丈夫?って」

「うん・・・」

彩乃がアイツのメールを全部消してくれてた。

『隼人、大丈夫?無事?』

すぐに返事が来た。

『俺は平気だけど。ニュースがヒドイよ。菜摘のクラスメイトで死者出たんだろ?』

知ってる・・知られてる・・・。

< 37 / 51 >

この作品をシェア

pagetop