暴走ゲーム
「今日はもう出ないで!!きっと大丈夫だから!!」
彩乃はあたしの震える肩を抱き締める。
「大丈夫だから・・・」
あたしのせいだ・・・。
あたしが・・あんなことしなきゃ・・・。
晴也に言われたからって裏切らなきゃ・・・。
きっと・・こんなことにはならなかった・・・。
「ごめんなさい・・・」
気付いたら、涙がたくさん流れていた。
「菜摘・・・」
彩乃があたしから離れた。
「大切なものは・・守らなきゃ・・あたしが・・みんなを守らなきゃ・・・」
「菜摘っ!!」
家を飛び出したあたしは、無我夢中で走った。
もう時刻は10時。
辺りは真っ暗。
街にはもう、誰も居ない。
あたしの足音しか聞こえない。
・・・あれ・・・?
足音が・・もう1つ・・・。