暴走ゲーム
「そんなことありません!!たしかにあたし、襲われかけたんです!!」
「菜摘、落ち着いてって」
彩乃に止められる。
「だってたしかに殺されかけて・・・誰かの声がして・・・そしたら意識が飛んで・・・」
「いやいや、貴女を疑ってるわけじゃない。鈴宮魁人君は9時30分に溺死しているんだ、黒沼で」
「えっ・・・」
黒沼・・・?
「晴也・・晴也はっ!?」
「夜神晴也君も同じ時刻、同じ場所で水死体として発見されている」
「は・・・」
ベッドに埋もれる。
「もし10時に生きていたとしても君が倒れてるのが発見されたのは10時15分。黒沼からあの街まで頑張っても20分はかかる。2人は10時10分に発見されている。時間が合わないんだ」
「嘘っ・・・」
じゃあアイツは・・一体・・・?
「病み上がりのところ、失礼しました。また聞きに来るかもしれないのでご協力お願いしますね」
警察はお辞儀して、病室を出て行った。
「彩乃が・・見つけてくれたの・・・?」
「まあ見つけたのはあたしなんだけど・・・。知らない番号から電話来てさ、今すぐ街に行ってくれって電話あって。声変わってたから誰かは分からないけど・・・」
もしその電話が晴也だったら?
助けてくれたのが晴也だったら?
・・疑ったらキリがない・・・。
全部が晴也だと思ってしまう・・・。