暴走ゲーム
「生きてる?」
「え?あ、うん。生きてるよ?」
「良かった。早く帰りなよ?」
「うん!!今から帰るね!!」
電話を切って溜息。
そうだよ・・・。
もう・・アイツは居ないんだよ・・・。
何心配してんの?あたしは・・・。
「そうだよ。俺はもう居ないんだから」
えっ・・・。
背後で声がして、背筋が凍った。
まさかね・・・。
だって・・死んだじゃん・・・。
「迎えに来たよ、菜摘」
その声に・・・振り返ってしまった。
そこには・・水で濡れた、アイツが刃物を持って・・・
そう・・あの時と同じ姿で・・目の前に立ってる・・・。
「もう・・次は無いよ」
ニコッと笑った顔。
刃物を振り上げた時、後ろではあたしの笑った顔が見えた・・・。
ドスッ・・・・
鈍い音は、あたしが最後に聞いた音だった・・・・