星、流れ

光哉

『掲示板見ました☆良かったらメールしよっ(^O^)/』

夕方、居酒屋へ行く前の和歌との【だらけタイム】。

アパートの屋上で携帯を弄っていると、一通のメールが届いた。
それは、今までメールしていた男の人と違う【顔文字】や【記号】が付いたメールだった。

正直、退いた。

男の人は【顔文字】なんか使わないと思いこんでたから。

「うわっ……何この人」

「何何?……うわぁ。顔文字だらけ」

それは和歌も一緒だった。

「一応プロフィールとか見てみたら?」

「うん……」

登録してる某サイトで見た彼のプロフィールを見て笑った。

自己紹介文でも【顔文字】だらけ。

名前が【みつぼし】。

「みつぼし?!しかも自己紹介文もやたら明るいー!!」

「本当だ!菜々、メールしてみなよ!」

和歌が面白がって進めて来る。

あまり乗り気はしなかったけど……とりあえずメールする事にした。

『みつやです☆メールありがとうm(^-^)mサナはどこの人?』

サイト上では偽名を使っていた。

メル友とメールしたり電話したりしてるのは【菜々】じゃなくて【サナ】だった。

違う人格を演じるのも、メル友作ったりする理由の中の一つだったり。

「なんか、この人面白い」

「へっ?!面白いの!?」

…うん。面白い。

意外だ、と驚く和歌に笑って返すと首を傾げられながら笑みが返って来た。



内容が楽しいとかじゃなかった。

本当にただの会話だった。

友達とするような……。



ううん。


【同じ人間】として会話してくれた。

女や男じゃなく、【同じ人間】として……。





それが



楽しかった。
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