星、流れ
プッ

プッ

プッ

プッ

……プルルル

「一回」

……プルルル

「二回」

……プルルル

「三回」


もうダメだ!

限界……っ!!

緊張で3コールまでしか携帯を持ってられなくて、電源ボタンを押そうとした時だった。

『もしもし……』

出た……。

嘘でしょー?!

寝てなさいよー!!

どうしたものか焦っていると、少し大きめな声が受話器から洩れた。

『もしもーし?』

「……もしもし。ゴメン、起こした?」

『ううん……おはよう』

初めて聞く、光哉の寝起きの声。

いつもより少し低めの、ガラガラ声。



……好き。



うん、好きだ。



「おはよ……」






まだ会った事の無い携帯から洩れる彼の声に目を伏せる。

西日に肌を焼かれながら、静かに流れる彼の笑い声に耳を寄せた。







ねぇ……






今度

逢いに行っても良い?






この想いを貴方に伝える為に……。
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