雨☆模様!!
「シオンが家で一人で寂しいと思うにゃ。速く家に帰るにゃ」
「わかってるよ」
シフォは、ローズと共に家のほうへ帰ります。
シオンは、シフォの弟です。
「夕食……いっしょに食べない?」
「ええ、そうするわ。シオンちゃんも待っているし。」
二人は、夕暮れの中歩いていると、あのお花屋さんの前を通ります。




「あ……」


お姉さんがいて、シフォは思わず声を出してしまいました。


「どうしたの?」

ローズは、シフォが向いた方をみました。

「あ、シフォ君。こんばんわ」


気付いたお姉さんは、シフォに声をかけます。
シフォは、息が詰まるようにしてうつむいてしまいます。


「ええ。今仕事が終わったところなんですよ。これから夕食を一緒に
食べるところです」

「へえ、いいわねぇ。おばさん、いつも一人でお留守番だから。
ところで、シフォ君の妹さん?」

「やっぱりそうみえますか? 友達ですよー」
「いいわねぇ。おばさんもさそってほしいわ」


「ええ、是非来てください!やっぱりたくさんで食べたほうがきっと
楽しいと思います!」




シフォは、いつもはローズの長話になるのを心配するのですが、
今日は違います、お姉さんのことを、じっと見つめてしまって、変に
見られることを気にしてしまい、そわそわして、きょろきょろあたりを見回して
しまうのです。


「あら、シフォ君が退屈そうにしてることだし、このくらいにしておきましょうか」
「わ、ほんとだ。じゃあいこっか」


ローズに手を握られて帰るとき、シフォは後ろ髪引かれるようにお姉さんのほうを
振り向きます。


そうすると、お姉さんはにっこりして、こちらへ向かって手を振ってくれました。


「シフォ君、また明日ね」


シフォは、それにうなずくだけで、ローズと共に自宅へ帰りました。
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