死に神と俺






「うるせえ」



どこからか声が聞こえた。うるせえ、だと?バッと振り返ると、黒いワンピースを着た、小学生くらいの女の子が立っていた。少女は長い黒髪をサラリとなびかせ、俺を睨む。



「てめぇがあまりにも喚くから、あいつの気が変わっちまったじゃねえかよ」


「…く、口悪…!」



涙が引っ込む。思わずドン引きしてしまった、最近のガキはなんて口が悪いんだ。つうか、なんなんだよ!いきなり現れて、いきなり馬鹿にしたような口ききやがって。



「それはてめぇがメソメソしてるからだろ」


「な、」


「全部顔に出てんだよ、アホ」


「うるせー!!お前こそ誰なんだよ!!」



俺が半分やけくそになって叫べば、少女は鼻で笑う。





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