死に神と俺






少女は振り返ると、俺に近付いて胸倉を掴んだ。小さいからすごい背伸びをしてるけど、無理しなければいいのに。



「てめぇの願い、叶えてやらないこともねえ」


「な、なに言って」


「ジジイがよ、こんなに血縁者でもなければ、そんなに関わりもなかった人間のことで嘆く奴、久々に見たから気になったんだと」



ま、待て待て待て。願い、叶える?ジジイ?人間?まじでなんなんだ。最初から説明してほしい。


思考回路パンク状態で、話さなくなった俺に、少女は本当に面倒臭そうに言った。



「ようするに、私は死に神でジジイってのは神様」


「…………はああ?!」


「おまえの願いを叶える為にきたんだよ私は。…ルルだ、覚えておけ」



俺はどうやら、神様ではなく死に神を呼び寄せたらしい。





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2011/04/18/
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