死に神と俺






少女はさぞ驚いたようで、俺の肩から手を放し、勢いよく後ろに下がった。



「し、信じらんねえ」


「は?なんだよ」


「普通人間ってのは、自分の血縁者、例え恋人や友人だろうと、…命を差し出すとまでは嘘でも言わねえはずなんだよ」


「……ふうん」


「あー……前例前例、…前例がねえ!!畜生、だから成功例がねえって言ったじゃねえかよジジイ!」



少女は辞書をすごいスピードでめくり、うろたえる。なんだかよくわかんねえけど、俺ってすげえんだ。



「あー、とりあえず。高根沢優人」


「お、おう」


「今から契約を行う」





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