死に神と俺
本当に死なないんだろうか






「あれ、高根沢くん、なにしてるの?」



その声で我に返った。横を見れば木下が、不思議そうに俺見上げてる。ちょっと待てよ。


上を見上げれば、まだ窓ガラスは落ちてこないみたいだ。



「いや、野暮用」


「ふうん、なにか部活入ってるのかと思った」


「入るわけねえじゃん。俺木下みたいに運動神経良くねえし」


「私も良くはないよ。走るのが得意なだけ」



話せるのは嬉しいが、あとどれくらいでああなるんだ?


そんなわからない状態で、木下と話してるのも危険な気がする。俺は木下にひらりと手を振った。



「早く部活行ったほうがいいぜ、じゃあな」


「あ、そうだね。また明日」



そう挨拶を交わして、木下がくるりと体を方向転換させ、友人と歩いて行くのを見届けると同時に、頭に激しい衝撃が走って、体がゆっくりと地面に倒れていくのを感じた。




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