死に神と俺






「………思ったより、…すげぇ…痛ぇ……」



周りでは、ほかの生徒達のすごい悲鳴が上がった。俺はうっすら残る意識で、地面に広がる自分の血をぼーっと見ていた。


早く病院に運んでくれ、まじで死ぬ。



「高根沢くん!!」



木下が駆け寄ってくるのが見えた。こんなに痛くて苦しいのが、木下じゃなくてよかった。そんな馬鹿なこと考えてたら、木下が俺の手を握ってるのがわかった。



「高根沢くん、大丈夫だから…!今先生が救急車呼んでくれるからね!」


「…………な、…くな」


「え…?」



なんでそんなに泣きそうな顔してんだよ。俺は木下のそんな顔見たくてこうしたんじゃねえんだ、頼むから



「…わら……って…」



そこでぶちん、と意識が途切れた。





.
< 20 / 41 >

この作品をシェア

pagetop