死に神と俺
「………思ったより、…すげぇ…痛ぇ……」
周りでは、ほかの生徒達のすごい悲鳴が上がった。俺はうっすら残る意識で、地面に広がる自分の血をぼーっと見ていた。
早く病院に運んでくれ、まじで死ぬ。
「高根沢くん!!」
木下が駆け寄ってくるのが見えた。こんなに痛くて苦しいのが、木下じゃなくてよかった。そんな馬鹿なこと考えてたら、木下が俺の手を握ってるのがわかった。
「高根沢くん、大丈夫だから…!今先生が救急車呼んでくれるからね!」
「…………な、…くな」
「え…?」
なんでそんなに泣きそうな顔してんだよ。俺は木下のそんな顔見たくてこうしたんじゃねえんだ、頼むから
「…わら……って…」
そこでぶちん、と意識が途切れた。
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