死に神と俺
「………う、み?」
「優人!」
小さく名前を呼べば、こちらを勢いよく振り向いて立ち上がる。橋本海、卓也の幼なじみで俺達の学校の一学年した。卓也の家に遊びに行くとよく居るから、そこから仲良くなった。
ベリーショートの髪の毛に、でかい目、化粧はあんまりしてないが、可愛いと思う、多分。
「お前いきなりだな…」
「なによ!海だって心配したんだから!」
「…病室だぞ。静かにしてくれ」
「もー、…でもよかった、優人が生きてて」
ひとしきり大騒ぎして、そのあと眉根を寄せ、俺にぎゅっと抱き着く海。…相変わらずだな、俺を兄弟かなにかだと勘違いしてないか、こいつ。
頭を軽く撫でて、それから肩を緩く押した。
「海、こういうのはお兄さんか、幼なじみの卓也にしろ」
「…なんで優人にはしちゃだめなの」
「こういうのは、俺みたいな奴より、ほんとに好きな人にするんだ」
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