死に神と俺






「私は、人間の考えてることが分かる」


「ああ、」


「こうやって触ることで、てめぇの感情まで共感することができるんだ」



頬に触れた手をゆっくり放し、立ち上がる。



「期限は、お前が木下に拒まれるか、…『奇跡』的に繋がるときまでだ」


「…ああ」


「それまで、精々他のものに気をつけろ」



ルルはそう言うと、俺が瞬きをして次に目を開いたときには居なかった。


カーテンの隙間から覗く月は、まるで俺を嘲笑っているようだった。





NEXT!→
2011/04/23/
< 35 / 41 >

この作品をシェア

pagetop