死に神と俺
俺を見てはくれませんか
昔から、隣で笑って隣で怒って、隣で泣いて、…なにをするにも隣にいたのは俺だった。
いつだって手を繋いで、俺の後を追ってくるあいつを、ずっとずっと守っていくつもりだった。…というか、これからもそれは変わらない。
「卓也!こないだの数学………あ、」
「…こんちには、はじめまして」
もし、あのとき優人がうちに来なかったらとか、もしあのときうちに海が居なかったらとか、いろいろ考えた。あのあと、優人が帰ったあとの海の言葉が今でも鮮明に思い出せる。
「卓也…私、初恋かも」
あのとき程動揺したことはないし、後悔したときも、優人を邪魔に思ったときもない。この先もきっと、ない。
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