死に神と俺
俺の初恋は海だし、海に似合ういい男で居たかったから、バスケも頑張ってエースになった。女子からもそれなりに告白されるけど、今まで全部断ってきた。だけど
「…畜生、」
優人は俺の大切な友達で、ずっと仲良く居たい。だけど優人には俺の片想いを打ち明けてはいなかった、いつか言おうと思ってた。なんだか片想いなんて俺らしくなくて、
その夜は、なかなか眠れなかった。
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「おかえり、海」
優人が怪我をしたことを知った俺は、優人の心配と同時に、海にのことが頭を過ぎった。次に、俺はそのことを話題にざわつく部室を、中途半端は格好で飛び出した。
人にぶつかるのも気にせず、病室まで全力疾走。横を通る看護婦に散々注意された、そして病室の扉を乱暴に開けると、優人のお母さんが佇んでた。着替えを取りに行く、と薄く笑い、静かに出ていく。
何時間か振りに会った優人は、頭に包帯を巻き、青白い顔をしてて、俺はすごい不安に駆られた。思わず泣きじゃくってしまって、優人に引かれたくらいだ。
だから今日優人の見舞いに行った海を心配していたが、待っていた俺に、案の定ただいまも言わない。
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