死に神と俺
「優人、なんかあったのか?」
「……卓也…」
「ん?」
俯いて、表情が読めない海は俺の名前を呟く。座っていたソファから立ち上がり、近寄ると、顔を上げる。
海の目は真っ赤に腫れてて、めちゃくちゃ驚いた。
「お前、どうしたんだよ」
「…海、そんなに魅力ないのかな」
「は?」
「胸も小さいし、化粧もあんまりしないし、髪の毛も短いかし、…子供っぽいから?…だからダメなのかな?」
「………海、」
「どうしたらいいの?どうしたら、優人は振り向いてくれるの?」
今回はダメージがでかかったらしい。海はでかい目から大粒の涙を流して、また俯く。いつもしつこいくらいアタックをしていたが、…優人の奴。
俺は海を緩く抱きしめると、いつもは甘えるように背中に腕を回す海が、抵抗するように俺から距離をとろうとする。
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