死に神と俺







「…海、お前はめちゃくちゃいい女だ」


「え、」


「今はまだ子供かもしれねえけど、すっげぇ将来有望。だからそんなに落ち込むな」


「…ありがとう」



海のその声を聞くと、俺は抱きしめてた腕を解き、頭をぐしゃぐしゃに撫でてやる。笑う海は昔から変わらない。


俺はほんとに狡い奴だ、バチが当たってもしょうがねえ理由は、まだある。海が優人を好きだって、知っときながら優人の恋を応援するんだ。優人もなんだかんだで大切だから。…どっち取らずだ。



「卓也、ほんとにありがとう」



今は多くを望まない、今は俺の気持ちなんてどうでもいい。だから頼む…海、笑っててくれ。






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2011/04/26
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