死に神と俺
真剣に取り組みましょう
「だー!!退院した!!」
一週間の病院生活、まじで長かった。医者と看護婦にお礼を言って、荷物が入ったボストンバックを持ち、病院の自動ドアを潜る。頭には、まだ包帯が巻いてあって、少し痛みは残ってるし、激しい運動はまだできないらしい。
頬を撫でる風がほんとに清々しい。…健康って最高。
「よー!優人!」
「…は、卓也?」
「退院おめでとう!!」
「うわ、お前らまで」
卓也がクラスの仲良い奴ら引き連れて、病院の前の横断歩道まで来てた。大声で名前を呼ぶから、俺まで周りから変な目で見られる。とりあえず、青になったと同時に小走りで卓也達に駆け寄り、ぶん殴ってみる。
「いて!てめぇ!」
「お前人目を気にしろ」
「なんだ優人、照れ屋か…?」
「気持ち悪い」
「余りに酷すぎる!」
卓也はぎゃーぎゃー言ってるが、俺は構わず周りのクラスメイトに声を掛ける。みんなが笑顔で出迎えてくれて嬉しかった。
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