死に神と俺
午後の授業も、さっきの木下のことで頭がいっぱいだった。笑った顔、すげえ可愛かった。
そんなことを考えてるうちに予鈴が鳴り、少し経って帰りのホームルームが始まった。担任の長々しい話しを聞き、挨拶をし、今日も学校が終わった。
「じゃあな優人」
「おう、部活頑張れ」
ざわめく教室を卓也が急いで出て行った。卓也はバスケ部のエースだから、早々行って練習するんだろう。俺は帰宅部だから、適当にクラスメイトに挨拶しながら教室を出た。
「お、」
廊下をちんたら歩いていて、校庭を見れば、真下を部活のユニホームを着た木下が、部員と楽しそうに歩いていた。
俺も思わず微笑むと、目の前にいた男子二人が、ふざけてるのが目に入った。
「うっせえな」
あまりにも激しく、突き飛ばし合ったりしてふざけてるから、周りも迷惑そうにそれを避けて通る。
そして、その直後。
「ぎゃはは!!てめぇふざけんな!!」
強く相手が突き飛ばしたが為に、片方の男子は窓に背中から激突した。
そして、激突した窓は割れずに外れ、真下に落下した。
「………え」
真下って、木下が。
「木下!!!」
外れた窓枠から身を乗り出して叫ぶ。窓はそのままスローモーションのように、真下に居た木下に向かって落下する。
ぶつかる寸前、木下がこちらを見上げた。
「―――……」
木下の口が、俺の名前を呼んだ気がした。そして、俺はへたりと座り込む。それと同時に激しい落下音と、女子生徒の悲鳴が聞こえた。
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