死に神と俺




そのあと、どうやって帰ったかも、家に着いてどう過ごして、どうベッドに入ったかも記憶にない。明日になれば、あんなこと嘘になっているかもしれない、そう思ったから。


そして、普通に学校に登校して、卓也と下駄箱で鉢合わせた。



「ゆ、優人!お前知ってるか?!」


「…なにがだよ」


「木下だよ!…あいつ昨日「うるせえ、先行く」



上履きを履き、卓也を置いて教室に向かう。木下、怪我したんだろうな、どれぐらいの怪我だろう、入院するのか?


席に着き、考えていたら担任が教室に入ってきて、ホームルームが始まった。



「皆に話さなければならないことがある」



担任は何故か顔を歪めていて、クラスがざわめく、次の一言でそれが静まり返った。



「2組の木下真理佳が、昨日亡くなった」



呼吸が詰まった。嘘、だろ。



『高根沢くん…』



あの時聞こえなかった木下の声が、聞こえた気がした。





NEXT!→
2011/04/05/
< 6 / 41 >

この作品をシェア

pagetop