死に神と俺
そのあと、どうやって帰ったかも、家に着いてどう過ごして、どうベッドに入ったかも記憶にない。明日になれば、あんなこと嘘になっているかもしれない、そう思ったから。
そして、普通に学校に登校して、卓也と下駄箱で鉢合わせた。
「ゆ、優人!お前知ってるか?!」
「…なにがだよ」
「木下だよ!…あいつ昨日「うるせえ、先行く」
上履きを履き、卓也を置いて教室に向かう。木下、怪我したんだろうな、どれぐらいの怪我だろう、入院するのか?
席に着き、考えていたら担任が教室に入ってきて、ホームルームが始まった。
「皆に話さなければならないことがある」
担任は何故か顔を歪めていて、クラスがざわめく、次の一言でそれが静まり返った。
「2組の木下真理佳が、昨日亡くなった」
呼吸が詰まった。嘘、だろ。
『高根沢くん…』
あの時聞こえなかった木下の声が、聞こえた気がした。
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2011/04/05/