13月32日と25時の昼夜



 ほら、見てごらん。

 仰向けのまま真っ青な窓に手を伸ばせば、手が届きそうなくらい。

 空の上に白い光に満ちた穴が、ぽっかり開いている。

 ──僕は毎日そこから落ちてくる。
 この部屋に生まれ落ちるんだ。


 僕が他の人とは違うってこと、誰も知らない。

 だけど皆と同じ時間に同じことをするように心がけてるんだ。
 「あなた普通じゃないわ!」って言われたくないからね。

 まず、毎日ベッドの上に生まれる。急いで食事をする。支度して職場に向かい、仕事をして帰宅する。
 それからシャワーを浴びた後、何か飲みながらゆっくりして。

 ね、ここまでは他の人と同じだろう?

 やがて、この世界の時間が終わりに近づいてきたら、ベッドに潜り込む。

 で、ここからが違うところ。

 言い忘れていたけど、僕のベッドはもう一つの世界への出入口なんだ。
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