13月32日と25時の昼夜
小さい頃の私は駄々っ子だったという。
よく隣の子の持ち物を欲しがっていたらしいのだ。
「ママ、あたしもあれが欲しい!」
「だめよ、我慢なさい」
「やだやだ!」
誕生日だから特別にと、仕方なく買ってくれたのは、
当時女児に人気だった、女の子がヒーローの洋服。
すごく喜んで着て過ごしたのだけれど、1つ流行りが過ぎれば、また別が流行るものだ。
番組が変わるごとに私の我儘が母を困らせた。
そんな私が小学生になり、隣の席の子が持っていた変わった文具をねだって買ってもらい、
中学生になるとお洒落な友達に感化され、貯めた小遣いをはたいて、似合いもしない高価なブランドの服を買った。
もちろん、両親にはこっぴどく怒られたし、着てみたら子供の私にはあまりにも似合わずガッカリした。
その上、買って1ヵ月も経たないうちに新作が出て、そっちの方にどうしようもなく興味が湧いてしまうという始末。
やがて高校になると、子供用じゃない携帯電話を契約してもらえることになった。
「あまり派手じゃない色にしなさい、飽きるから」
「えー、だって黄色が良いんだもん、可愛いし」
「白とか黒もあるだろ」
「飽きないもん、これがいい」