。+°俺様オオカミ°+。


 「お母様からの伝言なんですが」

 「あら、なにかしら?」

 お母様って杞憂ちゃんってお金持ち!?

 「稀龍君を許嫁にしたいと」

 「はぁ!?」

 眉間にシワを寄せる稀龍。

 「あら」

 呆然とするおばさん。

 稀龍が許嫁ってことは、私と別れなきゃいけないの?

 「いい話だと思いません?」

 「杞憂ちゃんあいにくなんだけど、うちの子は美聖ちゃんしか見れないの」

 「どうしてです?」

 「うちの子は、美聖ちゃんにしか本当の笑顔を向けないわ」

 「なら私にその笑顔を向けた時私の許嫁決定でいいですか?」

 「絶対にないと思うから」

 「わかりました。では、失礼します」

 杞憂ちゃんは部屋を出るとき勝ち誇った顔をしていた。


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