君だけのもの。
「…俺さ」
「ん?」
しゅんの体から響いてくる声が
心地好かった。
「………高校また受けることにした」
「………………え?!」
「もう一回高校いきてえんだ」
「お金は?!だって…」
「ちゃんと仕事見つけた。
公立受けるから土木なら
金間に合うと思うんだ。
だからこうやって
いつもみたいに
会えなくなる…
悪い」
俯くしゅん。
「…なにいってんの!
全然りおは平気だよ!
受験まであと数ヶ月じゃん!
勉強も仕事も頑張んなよ!
応援してる。
受かったら次こそは
頑張ってね」
会えなくなるのは辛いから
若干笑顔が引き攣ったかもしれないけど
頑張って明るい言葉を並べた。
受かってほしいけど
高校行ったら他に好きな子が
できるに決まってる。
でもやる気になったんだから
頑張ってほしい。
でも置いてかれる感じがして
寂しかった。
複雑な心境だった。
なんて性格が悪いんだろう。