君だけのもの。
事件はどんより曇った雨の日に起きた。
「暇だなぁ…」
「ね…夜って長いね…
てか寒!」
加奈がぶるっと身を震わせた。
「ねえ〜そこの女子二人暇〜?」
後ろから声をかけらて振り返ると
見覚えのあるチャラそうな男二人がいた。
「もしかして…啓くんと拓哉くん?」
「えっまさかりおと加奈?!
なんだよーまぢかよー
今日こそ可愛いおなご
ゲットしようと思ったのに〜」
いきなり声をかけてきた
男二人は中学の時の先輩だった。
「久しぶりですね!
暇なんですか?」
「今からクラブいこうかと思ってよ!
ちなみに今宵は俺様がDJだぜ♪」
「えー!!!まぢ!!!
啓くんDJ?!行く行く!!
ねーりおいこーよー」
「ん〜〜…まあいっか!」
「やったー!んも愛してる!」
「あぁありがと(笑)」
若干しゅんのことがあって
気が乗らなかったけど
また夜に暇つぶすより
久々に行ってもいいかなと思い、
私達は深夜の街へと足を進めた。