君だけのもの。
「今日はなにする〜?!」
加奈の高い声が響いた。
眉に光るピアスが
似合っていた。
「とりあえず海のほう
走りいくべ〜!」
そこらへんにいた
いかにもチャラそうな男が
声をかけた。
その直後爆音のエンジンが
かかる。
「しゅん〜〜!
ケツのせてよ〜〜!!!」
「おう!乗れ!!」
大声で叫ばないと
声が届かない。
しゅんからメットを受け取り
後ろに乗った。
きっとすぐ通報が入るから
早く行かなければならない。
「乗ったか?いくぞ」
その瞬間
しゅんのバイクが走りだす。
私はしゅんの大きな背中に
しがみついた。