その透き通る手で
「社会人でもないっぽいんでしょ?」

「多分、違う。スーツとかじゃなかったし」


今日の空みたいに澄んだ青をした、シャツ。
それが印象的だった。


あとはあんまり覚えてないけど、今からオフィスに向かいますーって格好じゃなかったのだけは確か。


「行動も存在も謎ね、そのレンって人」

「悪い人じゃないんだろうけどね……」


ため息混じりに呟くと、眞井はまじまじとわたしの顔を覗き込んだ。
猫みたいにやや吊り上った目を丸くして、


「まさか、清……一目惚れ?」
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