その透き通る手で
帰り道は、目を皿のようにして歩いた。



特に踏切周辺はくまなく探した。違うルートを通ったりして、3回は同じ踏切を渡った。



だけど、結局レンの姿を見つけることは出来なかった。



……そうだよね。


たまたま居合わせて、からかいやすそうだからちょっかい出したんだ。


だから、また会いたいだなんて思ってるのはわたしだけで、レンにはそんな気持ちこれっぽっちもないんだ。

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