その透き通る手で
「よしよし、可哀想に。生まれて初めての恋わずらいに、苦しんでるのね?」
教室の机に突っ伏したわたしの頭を、眞井の細い指が撫でてくれる。
……あれから一週間。
早朝、定時、遅刻ギリギリ。
放課後も一番乗りで帰ったり、図書室が閉まるまで粘ってみたり、色々とわたしなりに頑張ったけど。
「レンは一体どこにいるのかしらね? ひどいなぁ、清の心をがっちり掴んで消えちゃうんだから」
「……楽しんでない? 眞井」
「全然」
うらめしげに見上げると、眞井はにっこりしてみせた。
トゲトゲしたわたしの心をふわっと包むみたいに。
「今日はあたし、六川先生にお休みもらったの。だから放課後、一緒に探してあげる」
「ホントに? 熱があっても、図書委員の仕事を休まなかった眞井が……?」
「友達のピンチだもん。協力するよ!」
「あ、ありがとう!」
やっぱり持つべきものは友達だよ!
眞井、大好きだー!