その透き通る手で

「じゃあ、今度はレンのこと聞かせてよ」

「俺のこと? 俺の何が知りたいって?」


聞きたいことなら、沢山あった。
一週間、レンを探してる時も、授業中も、ご飯を食べてる時だって、ずっとずっと考えてたんだよ。


「じゃあー、レンの歳! あと、レンって何してる人なの?」

「歳は23。清より6つも歳くってるよ」



え?


……えー!?


見えない、全然見えないって!


制服着てないから、大学生かなーってちょっと思ってて。
それなら19歳とか、20歳かな?
レンってちょっと童顔なのかもな。なんて思ってたのに。


23歳!


26歳の六川先生の方が、レンと歳が近いなんて……

ショック……じゃないけど、信じられない。



「あ、やっぱり17歳にしたら、23歳ってオジサン?」

「全然! ていうかレン、23歳に見えないし」

「それもどうだろうなぁー。褒められてる気がしないのはなんでだ?」



あ。
この苦笑い。

一番最初の笑顔とおんなじ。大人っぽくて、すごくドキドキする。


やっぱり……


年上なんだなぁ……


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