その透き通る手で

……お父さんのこと聞かれるの、嫌なんだ。
次から気をつけようっと。


だってレンにゲンメツされたら、ショックで立ち直れないもん。


「あれ、もしかして今の、本気にした? 嘘だよ嘘! そんなことで清にゲンメツするはずないじゃん」

「えっ?」

「ちょっとからかっただけなのに、泣きそうな顔するからビックリしたよ。……でも可愛い顔見れたから、ラッキーかな」


か、可愛い……だって。


ねえ、今の、聞き間違いじゃないよね?


「はは、今度は笑った。百面相してんの? 清」

「もうっ! からかわないでよー」


またいじわるなことを言うんだ。

でも、女の子みたいにぱっちりした目をやさしく細めるから、ちっとも嫌な気持ちにならない。


「……ねえ、そういえばレンは、どうしてこの公園に来たの? 何か用事?」

< 24 / 76 >

この作品をシェア

pagetop