その透き通る手で
……お父さんのこと聞かれるの、嫌なんだ。
次から気をつけようっと。
だってレンにゲンメツされたら、ショックで立ち直れないもん。
「あれ、もしかして今の、本気にした? 嘘だよ嘘! そんなことで清にゲンメツするはずないじゃん」
「えっ?」
「ちょっとからかっただけなのに、泣きそうな顔するからビックリしたよ。……でも可愛い顔見れたから、ラッキーかな」
か、可愛い……だって。
ねえ、今の、聞き間違いじゃないよね?
「はは、今度は笑った。百面相してんの? 清」
「もうっ! からかわないでよー」
またいじわるなことを言うんだ。
でも、女の子みたいにぱっちりした目をやさしく細めるから、ちっとも嫌な気持ちにならない。
「……ねえ、そういえばレンは、どうしてこの公園に来たの? 何か用事?」