その透き通る手で
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「遅くなってごめんねー! なんか図書委員がミスしちゃったらしくて、六川先生から電話が……って、清、なんてしまりのない顔してるの?」
「……眞井、会えたよ。レンに」
「え、嘘! ここに来てたの?」
うん、と頷くと眞井はすごく悔しそうな顔をした。
「うっわー! 絶対顔見たかったのにーショックー!」
「あ、でもついさっき帰ったところだから、ひょっとしてすれ違ったかも」
「誰とも会わなかったけど。……行き違いだったのかな? とにかくくやしー」
さっきのジュースをまだ大事に持ってたらしい眞井は、それを一気に喉へと流し込んだ。
飲み方がちょっぴり男らしい。
「まっ、過ぎたことを悔やんでも仕方ないか。……で、清、わかった?」
「え? なにが?」
「恋よ、こ・い。してるの? レンに」