その透き通る手で

「レン? ……ここぞという時に株を上げてくわね、あの男」

「え、そこでなんで眞井が怒るの?」

「怒ってないわよ。ただ悔しいっていうか……だって、まるで清のことずっと見てるみたいにタイミングよく現れるんだもの」

「ただの偶然だよ、ぐーぜん」

「偶然も重なれば必然なのよ?」


 重々しくうなづく眞井。自信深げに言うものだから、妙に説得力がある。


 でも……もし本当に必然だとしたら、『運命』って名前の必然がいいな。

なんて思ってると、まるでわたしの心の中を読んだみたいに、眞井がすごい怪訝そうな顔を作ってみせた。

でも、それはわたしに向けてじゃなくて、目線はかなり上。つられて見上げれば、そこにはクラスの委員長が立っていた。

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