その透き通る手で
しばらく歩いていくと、窓辺にぼんやりと佇んでる人がいて、わたしは思わず足を止める。
この学校の先生だとか生徒だとか、ここにいて当たり前の人だったらこんなにも驚かなかったけど……なんと、そこにいたのはレンだった。
なんでこんなところにいるんだろうとか、どうやって入ったんだろうとか、疑問がぐるぐる頭の中を回るけど、それよりもすごく不安になった。
心配とか、焦りとかもあるけど……なんだか、レンの姿に胸騒ぎを覚えたんだ。
「レンっ! なんでここにっ……ていうか、校内部外者出入り禁止! 先生たちに見つかったら叩き出されるよっ」
「あー、うん。そうなんだろうけどさ。ちょっと清に話したいことあって」
「そんなのいくらでも聞くから、とりあえず学校出よっ? ね?」