その透き通る手で

 多分、最初から好きだった。信じられないくらい急スピードで、レンに惹かれていったんだ。
 それなのに相手は、実体もない、記憶もない、夢よりはいくらかましってだけの存在。


 そして自分の行動さえ自分で決められないレンは、一人で「最後」を決めようとしてる。
 これを怒らずに何を怒れっていうんだろう。

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