その透き通る手で

「大丈夫です。僕は貴女のことを信じますよ。
だから仲江さんも、僕を信じて話してみてください」


 心強い言葉に、わたしはようやく告白の決心がついた。
 コクリとのどを鳴らして、深く深呼吸ひとつ。

 もうひとつ。
 もうひとつ。


 そしてとうとう、わたしは重い口を開いた。


「実はわたし……
幽霊が見えるようになっちゃったんです」


 ――ああ、言っちゃった。ついに言っちゃった!

 眞井と反対隣りに立ってるレンが、無言で『よく言った』とばかりに拍手する。
 もちろん、今まで何も言われなかったんだから、当然先生や眞井には見えてないけど。


 六川先生は、今まで見たこともない戸惑った様子でまばたきをしてる。眞井も言葉もないくらい驚いてるみたい。

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