その透き通る手で
『いや、ね。って言われても。俺どーしたらいいんだ?』
幽霊が、自分の存在をアピールする方法っていったら……
「なんかこう、ポルターガイストを起こすとか」
『都合よくそんなこと出来るわけないだろー。
ていうか、出来たら何か嫌だ。人間として』
「でも、今は幽霊でしょ?」
『そりゃまあ、そうだけど』
写真に映ってみるっていうのは――怖いから、やめておこう。
わたしの目に見えるレンは、触れられないってこと以外は普通の人間と違いはなくて。
そんなレンが、よくテレビや雑誌に出ている心霊写真のような姿で映り込んだらって考えるだけで、悪い夢を見そうだよ。
「ええと……どうやって彼の存在を証明するか、ってことを話しているんですよね?」
「あ、そうです。ごめんなさい先生。
やっぱり専門家の方に相談した方がいいでしょうか」