その透き通る手で
「ええっ! 委員長、俗にいう『見える人』!?」
「その表現はえらく頭が悪そうだが、おおよそ的を射ている。
俺はよくいう霊感体質だ。しかもバリバリの」
バリバリ。
真面目な顔でそう言われましても。
わたしと眞井は、顔を見合せて微妙な顔をした。クールな長谷君のキャラに、全然合わない。
「だからたとえば、こういうことも出来る」
言うが早いか、握ったこぶしをレンのお腹に叩き込んだ。
それはレンがわたしに触れたみたいに透き通ることはなく、ドッ! とかいう生々しい音と共にレンの身体にめり込んだ。
い……、痛そう……。
『い、きなり何しやがんだ……っ』
「ほんの挨拶代わりだ。ありがたく受け取っておけ」
咳き込みながら抗議するレンに、長谷君はすまして答えた。