その透き通る手で
担任の元に遅刻届を出して、お小言をもらってからギリギリで二時間目の授業にすべり込んだ。



教科書を机に広げながら、口だけの動きで『おはよう』と言うのは眞井。
わたしはそれに苦笑いを返して、彼女のひとつ前の席に座った。



眞井に話したいことが沢山ある。


授業なんて受けてる場合じゃない。


でも、黒板の前に立ち、生き生きと教鞭を振るう先生を前にして、とてもじゃないけど後ろを振り返る勇気はない。



うー、はやくこい。昼休み。

< 7 / 76 >

この作品をシェア

pagetop