その透き通る手で
「とにかく、見えるものは仕方ない。
そこの悪霊。あんた今後一切仲江には近づくな」
『なんでそれをおまえが決めるんだよ?』
「わからないのか? 死者は生者に関わってはいけない。
干渉してはならない。想いをかけてはならない。
なぜならそれは、生者を死に招く行為だからだ。……あんただって、仲江を死なせたくはないだろ?」
「わたし、そんなことしないよ?」
「馬鹿だな。仲江みたいな人間が一番危ないんだ。地に足付いてなさそうなぼけっとした奴が」
「まだ清のこと、よくわかってないみたいね委員長。清はこう見えてもしっかり者で、度胸がすわってるんだから」
ふふん、と自慢げに援護してくれる眞井。
でも眞井、こう見えてもは余計です……
『あ、でもたしかにそれは、俺も思ったな。
俺が幽霊だーって言っても、怖がったり動揺したりしなかったし』
とてつもなく怒ったけどね。
でも、とにかく今は、素直にレンのその同意が嬉しかった。