その透き通る手で
一方、しまったという顔になったのは眞井で、あろうことか憧れの六川先生の前で素をさらけ出してしまったのだ。
青い顔をして、六川先生を見上げる。
「あああ、あの、六川先生、これは……」
「友達思いなんですね、眞井さんは」
「へっ?」
六川先生のやわらかなまなざしは、まるでいつくしむみたいに優しい。
傍から見てるだけでも直視できなくて、わたしまで思わず視線をそらしてしまう。
だから、間近でそれを受けた眞井は、きっともっと動揺してる。心臓が口から飛び出しそうなくらいに。