コスミックダスト-戦塵の宮殿
「じゃあ、なぜペイジャックは地球へ逃げた?」

「クーデターごときの罪で死刑になりたくないからや」

「ごとき?」

「とにかく須原サンは潔癖や!」

「それを言うなら潔白だろ」

「大体なあ! 兵隊の態度が気に食わん」

「シェラ大佐のことか?」

「名前は知らんが、あの偉そうな兵隊は何やねんな? 顔つき、言葉遣い、態度、何もかもが胡散くさい」

「頼りになる男なんだが」

「そんな胡散臭い男がなんでオレのこと知ってんねん? オマエも坊主も、なんで会う前からオレのこと知ってんねん? メチャクチャ気色悪いわ」

「オレは大佐からオマエのことを聞いた」

「そやからなんで大佐は」

「大佐はペイジャックの日記を見ている」

「そやからなんで須原サンは」

「どこかで会っていないのか?」

「会ってへん。それになあ、オレはリュイなんて知らん」

兵隊から 「リュイから預かったものはどこだ」 と何度も殴られた。

「ボクも言われました。リュイという人から預かった鍵の場所を知らないかと、何度も問われました。だけどボクは鍵なんて知りません。リュイという人も知りません」

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