コスミックダスト-戦塵の宮殿
「なるほど。ということは、大佐はオマエのその能力を利用して、オレを捜し出させたわけや。そのためにオマエが須原サンを憎むように仕組んだ。復讐というのは最も執念を集中させやすいからな。オマエは大佐にまんまと利用されたのや」

「ということは、オレは」

ミドリは言葉を切った。
と言うことはオレは、無実の人間を殺してしまったというのか。
しかも2年も憎み続けたまま。

いや、そんなはずはない。
オレの判断だけならともかく、父上の判断。まして大佐がオレを裏切るはずがない。
大佐は昔からとても信頼できる人間だった。

ミドリは頭の中で葛藤した。

「そもそも大佐を信用することが大きな間違いやねん。あれはマジで胡散くさい」

「やはり大佐が父上を騙しているのだろうか」

だとしたら大佐の目的は何だ?
王位のっとり、なんて考えられねえから、だとしたらやはり国王に頼まれた。

大佐の背信か。

それとも国王の指示か。

ミドリとしては国王だけは信じていたいところだろう。

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