コスミックダスト-戦塵の宮殿
大佐はミドリが物心付いた時からずっと側にいた。
父の側にも、自分の側にも。

理知的で冷静で、裏切ることなど絶対にない人物だと思っていた。
何より、父に対して忠義に背くことなど考えられなかった。

だとすれば、やはり王妃殺しは父の差し金なのだろうか。

「母上は何のために殺されたのだろう。オレに復讐心を植えつけるためだけに殺されたのか?」

それだ。

王妃はなぜ殺されなければならなかったのだろう。

誰が殺したのか。

なぜそれが須原サンの仕業にされたのか。

そして、なぜ須原サンの日記には、オレの名前が登場するのか。
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