コイロキシルテ


さぁ、思い出してメアリー


生まれ変わったあたし。



「思い、出したっ。」

私は蚊のような声でつぶやいた



無意識に流れた涙は

嬉しさと悲しさと


それと幸福感



目の前に私が望んだ世界があって

私の大好きな人たちがいる




ああ、なんでここが始まりの街なのか

なぜ私がそれを知っていたのか分かった



「メリー、私の大事な悪魔ちゃん。」

私は涙を流したままメリーに抱きついた



「メアリー?思い出したの?」


アリーが涙声で聞いてくる


「お姉ちゃん?」

リリーが不思議そうにアリーを見つめる


「うん、思い出したよ。」

私は思いっきり笑って見せた。


「本当に私に名前をくれた
あの子なの?」


メリーが心配そうに見てくるから

思わずふきだした


< 77 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop