初恋相手は檄甘王子☆



「…うっ…ぁ…

唯花…私…私…っ」



「大丈夫だよ…
あたし、ここにいるよ…





…雨宮、美空を守れなかった自分がそんなにくやしい?」


唯花が突然強いまなざしで
陸斗に訪ねた




「……あぁ」


そう答えた陸斗は
今にも壊れてしまいそうで
胸がもっと痛くなった




「気持ちは分かるけどさ、
そんな顔してんじゃないわよ!

美空の一番大切なあんたが
不安な顔してたら
美空がもっと辛くなるの。


泣きたかったはずの美空が
なんで我慢してたか分かる?


あんたに自分のこと責めてほしくないからよ!


美空が一番不安なの!


分かってるなら

そんな顔しないで。


美空のそばでそんな顔しかできないなら

頭冷やしてきて…」


唯花…

ありがとう…

でもね…

「唯花…っ
いいの…

私が悪…いの…

意地、張ったりしたから…

きっとね、バチがあたったんだ…」


陸斗を責めないであげて…?



「…美空」



「…美空…っ

俺…ごめん…

もう不安な顔なんかしない。

ずっと美空のそばにいる」




陸斗…


陸斗


優しいね…


ありがとね…


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