笹ノ丘学園〜若者よ、恋をしろ〜
やっと春樹んちの前まで着くと、雛乃と紗佑がインターホンの前で突っ立ってる。
「あ。雪斗ーーーぉ!春でないよー?」
俺に気づいた雛乃が騒ぐ。
うるせぇー…ホントガキ。
「開いてねーの?」
扉を引くと普通に開く。
「あ!開いたっ!!」
いちいちオーバーリアクションな雛乃。
「風呂でも入ってんじゃねーの」
「うわあああ!いつ見ても広〜い!いーなー!いーなー!」
俺の話なんか無視で、ずかずか人んち入る雛乃。
雛乃とは違って紗佑は「…お邪魔しまぁーすっ‥。久しぶりだなー‥」って小さい声で言った。
こんなにも対照的な2人なのに、なんで仲が良いのか不思議でたまらない。
それから雛乃先頭で3階の春樹の部屋まで行く。
コイツに逢うの何週間ぶりだろう。春休み、父親にくっついてアメリカに行ってた春樹。
そのせいで俺はずっと暇人で、雛乃のメールに返信するくらいだった。
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