笹ノ丘学園〜若者よ、恋をしろ〜
「なんでひなのこと連れてくのーぉ?」
紗佑連れてけばいいのにー!って続けた。
「なんか紗佑怒ってたじゃん」
「えっ!分かんないのーっ?!あれは、恥ずかしかったんだよ!照れてたでしょー?ひなだって、雪斗が上半身裸だったら恥ずかしいもん!!照れるもんっ!…あ、あと嫉妬だよ!嫉 妬 !!」
背伸びをしながら食器棚からコップを取ろうとするチビひなが、『嫉妬』を強調させながら語る。
だってー、と続けて
「雪斗が、寝言で女の人の名前言ったら嫌だもん!多分ひなだったら暴れちゃうな〜」
『ん〜…』なんて聞いてるけど、それって紗佑が俺のこと好きみたいな言い方じゃん。
「紗佑、俺のこと好きなの?」
「…え!そうなのー!!!?」
モロ、初めて聞きました。って反応。
「…え、嫉妬ってあれでしょ。好きなヤツにしかしなくね?」
「あぁー…そっか!じゃあ、嫉妬じゃないね!」
“嫉妬じゃないね”その言葉を聞いて、結構ショックを受けるのはやっぱり『紗佑が俺のこと好き。』なんて、相当自惚れてたってことを実感した。
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